ウォーキングで認知症予防!歩き方のコツを知っておこう

ウォーキングで認知症予防!歩き方のコツを知っておこう

認知症や生活習慣病の予防に勧められる運動が「ウォーキング」です。誰でも手軽に始められるのがウォーキングの利点ですが、認知症予防を目的に行う場合、「毎日ひたすらたくさん歩けばいい」というわけではありません。この機会に「歩き方のコツ」を知っておきましょう。

ウォーキングが認知症予防にいい理由

ウォーキングには、脳の「アセチルコリン神経」を活性化する作用があるといわれています。

アセチルコリン神経とは、脳の大脳皮質や海馬(記憶などを司る部位)にアセチルコリンという化学物質を放出する脳神経の一種です。
このアセチルコリンの分泌量が増えると、脳内部の血管が広がり、血流が良くなることが判明しています。そして、アセチルコリンは脳を守る重要なタンパク質(神経成長因子)を増やし、神経細胞へのダメージを軽減するなど、脳の健康維持に欠かせない働きを担うとも考えられています。

また運動には、「インスリン抵抗性」(血糖値を下げるホルモン・インスリンが正常に働かなくなった状態)を改善し、脳の記憶力・認知力などを維持する効果があることも、近年の研究によって明らかになっています。

2017年に、心疾患既往のある平均約57歳の489名を対象に実施された海外の研究によると、「インスリン抵抗性のある患者は、認知機能が低下傾向にある」ことが認められたそうです。

2型糖尿病の方はインスリン抵抗性があるので、放置しておくと脳の認知機能にも影響が出る恐れがあります。糖尿病の改善や認知症予防のためにも、運動習慣をつけましょう。

認知症予防のためのウォーキングのコツは?

「たくさん歩けば歩くほど体にいい」と思っている方もいらっしゃると思いますが、過剰な運動は逆に免疫力を低下させ、活性酸素を増やして体の老化を早めるといわれています。また、限界を超えた運動は、慢性疲労や病気、怪我のもとにもなりかねません。

認知症予防を目的にウォーキングを始めるのであれば、適切な「運動の強度」と「1日の平均歩数」が重要になります。

認知症予防のためのウォーキングのコツは「1日5千歩以上の早歩き」

国内で65歳以上の高齢者5千人を対象に行われた、日常生活の歩行と病気予防の関連性についての大規模調査によれば、「歩数と歩きの質(運動強度)が病気の予防率と関連している」ことがわかったそうです。

運動強度は、下記の3つに分けられます。

・低強度:ゆっくりした散歩
・中強度:早歩き、やや重い山歩き
・高強度:ジョギング、テニス、水泳など

(運動強度は個人の体力や年齢で変わりますが、おおよその目安としては「なんとか会話ができるレベルの早歩き」が中強度の運動になります。)

そして上記の調査では、「1日あたり、5千歩以上の早歩き(中強度)を7.5分以上行っている人に、認知症発症者はほとんどいなかった」という結果が得られました。この7.5分は、継続しても、断続的に行った合計時間で換算しても構いません。

ただ、普段運動習慣のない人や体力に自信のない人がいきなり高強度のジョギングをすると、思わぬ怪我を招く恐れがあります。まずは1日30分以上のウォーキングを、週3回以上取り入れるところからスタートしてみてください。

おわりに:早歩きのウォーキング習慣で、認知症予防!

健康増進の目的でウォーキングをする方は少なくありませんが、認知症予防のためであれば、歩き方のコツを事前に知っておくことが大切です。歩数だけでなく、適度な強度をかけるように心がけてみましょう。


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