食事中にむせやすくなる原因と対処法

食事中にむせやすくなる原因と対処法

食事中にむせやすくなったのは、嚥下障がいの兆候かもしれません。嚥下障がいは誤嚥性肺炎の原因になるため注意が必要です。この記事では、むせやすくなる原因と嚥下障がいの兆候、おすすめの対処法をご紹介します。

食事中にむせる原因

食べ物や飲み物を飲み込む動作のことを「嚥下(えんげ)」と言います。嚥下障がいとは、嚥下中に何かしらのトラブルが起こる状態であり、食事中にむせる、飲み込みにくくなるなどの変化が起こります。嚥下障がいの主な原因は、加齢による喉の筋力低下と認知機能の低下と言われています。

●喉の筋力低下
通常、飲み込まれた食べ物や飲み物は食道に入りますが、加齢で喉周辺の筋力が低下するとうまく飲み込めなくなり、気管に入りやすくなります。

●認知機能の低下
認知機能や神経伝達機能が低下すると「口に食べ物を入れ、飲み込む」という一連の動作がスムーズにできなくなります。これは「食べ物を飲み込む」という動作を脳が正しく認知できず、舌や顎の筋肉へうまく指示を出せなくなることが原因と言われています。

●その他の原因
口、喉、食道などの疾患(口内炎、歯槽膿漏、虫歯、扁桃炎、咽頭炎、腫瘍など)や脳疾患(脳梗塞、脳出血など)も、嚥下障がいの原因になる可能性があります。

嚥下障がいの兆候

嚥下障がいの主な兆候として以下が挙げられます。当てはまる項目が多い方は嚥下障がいの可能性がありますので、医療機関を受診することをおすすめします。

・食事中、頻繁にむせる
・声質が変化した
・いつも喉がごろごろして違和感がある
・痰が多く出る
・30秒間に3回以上唾液を飲み込めない
・30mlの水を、むせずに5秒以内で飲めない

むせやすくなったときの対処法

喉周辺の筋力を鍛えるトレーニングは嚥下障がいの予防に役立ちます。喉周辺の筋力は40代から衰えると言われているため、早めにトレーニングを始めましょう。
※それぞれ5~10回行うようにしてください

●発声トレーニング
1.口を大きく「い」の字に開ける
2.「いー」と5秒間発声しながら、口を横に大きく広げる

●飲み込むトレーニング
1.喉仏に指を当て、喉仏周辺の筋肉を意識する
2.唾液をゆっくり飲み込む

●喉周辺の筋力トレーニング(1)
1.顎を引いて、おへそをのぞき込む
2.喉仏周辺に力を入れるように意識する
3.額に手を当て、5秒間、額と手を押し合う

●喉周辺の筋力トレーニング(2)
1.顎を引き、顎の下部に両手の親指を当てる
2.喉仏周辺に力を入れるように意識する
3.顎の下部と親指を押し合うように5秒間力を入れる


料理や飲み物にとろみをつける、食材を小さく切るなどすると、飲み込みやすくなり、むせにくくなります。うまく工夫しながら、気長にトレーニングを続けましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生22-2239,商品開発G

関連記事

  • 緊張型頭痛の特徴と予防体操

    緊張型頭痛の特徴と予防体操

    緊張型頭痛は、原因となる疾患がない慢性頭痛の中でも特に罹患数が多いと言われていますが、ストレッチ等で緩和できる可能性があります。この記事では、緊張型頭痛の特徴と手軽に取り組める緊張型頭痛の予防体操について解説します。

  • トリプトファンの作用と含まれている食品について

    トリプトファンの作用と含まれている食品について

    トリプトファンは必須アミノ酸(体内で合成できない、食事等で摂取が必要なアミノ酸)のひとつです。この記事では、トリプトファンの作用とトリプトファンが含まれている食品について解説します。

  • 「介護うつ」の症状と予防対策

    「介護うつ」の症状と予防対策

    「介護うつ」とは、高齢者の方や障がい者の方等の介護をしている際に発症するうつ病のことです。正式な疾患名ではありませんが、症状の程度によって治療が必要になる可能性があります。この記事では、介護うつの症状と予防対策について解説します。