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目指しているのは、
彼の「目」になること。

松垣省吾(ガイドランナー) &
谷口真大(ブラインドランナー)

まつがき しょうご

松垣 省吾

32歳。駅伝の強豪校、上野工業高校(三重)を卒業後、法政大学に進学。箱根駅伝では3大会連続で6区の山下りを走り、区間2位を2度達成した。全国都道府県対抗男子駅伝や全日本実業団駅伝、関西実業団駅伝などで活躍。2015年のびわ湖毎日マラソンを最後に競技の第一線を退き、現在は盲人ランナーのガイドランナーとして、リオデジャネイロ2016パラリンピック5千メートル走への出場を目指す谷口真大選手らをサポート。

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ガイドランナーは、僕にとってもチャレンジだった。

谷口選手のガイドランナーになったきっかけは、同僚の障がい者ランナー、堀越信司選手のパートナーを務めた事から。昨年、僕が競技生活の第一線から退いた時に力になってほしいとの話があり、彼の紹介で谷口選手もサポートするようになりました。

僕自身は高校、大学、社会人とずっといいタイムを出すために走ってきましたが、同時に、それだけではランニングを生涯楽しめないのでは?との思いも抱いてきました。だから、この機会にガイドランナーという新しい領域に踏み込めるのは有難かったですね。

谷口選手には、僕が今まで培ってきた経験や知識を伝えてあげたいと思っているんです。具体的にはフォームや足運び、レース戦術といった、世界で戦うための細かいディティールの部分ですね。彼は飲み込みが早いので、僕と一緒に走るようになったこの1年でどんどんいい走りになってきています。

自分の自己ベストでも、
ここまで心は震えなかった。

谷口選手は2年間自己ベストを更新できていなかったんです。いい走りをしているし、ランナーとしてのポテンシャルも十分ある。だから僕はちょっとアプローチを変えてあげれば必ず伸びるはずと思い、反復練習を繰り返してレース感覚を磨いていったんです。そうしたら半年で自己ベストが出ました。

その時に谷口選手がゴールしたらいきなり僕の肩をバンバン叩いて、「嬉しい!やりました!」って。本当に喜んでいるのが伝わってきたんですよ。その時はちょっと泣きそうになっちゃいましたね……。自分が自己ベストを出した時にもこんな感情になった事はないよなって。きっと、谷口選手の頑張りに心が揺さぶられていたんでしょうね。

もう一歩チャレンジすることが、彼の自信になると思う。

谷口選手は僕と出会うまで、躓かないよう守られて走ってきた部分があると思うんです。その結果、限界になる前に自分で自分の走りにブレーキをかけてしまう事がある。僕としてはもう少し行けるはずなのに、チャレンジする事に臆病になっているのが何とももどかしいんですよ(笑)。そこで勇気を持って一歩踏み出して、もっとガムシャラに、ヘトヘトになるまでやればメンタルも強くなるし、フォームもダイナミックになる。そのことがいい結果にもつながると考えています。

あと、谷口選手は走っていてタイムが思うように伸びなかったり、苦しくなると、身体がガチガチになってしまう。そんな状況で力任せに壁を打破しようとしても、長い距離が持つはずないんですね。だからそういう時は肩の力を抜いて気を楽にして、走りを立て直せばいいんだよって。駄目な時ほど身体も気持ちも緩めてあげる。世界で戦うにはそんなメンタルコントロールや修正能力も必要なので、いつも口酸っぱく言っていますね。

実は、僕の方が勉強させて
もらっているのかも。

谷口選手のようなブラインドランナーには、身体の動きのちょっとしたニュアンスを伝えるのが難しく、常に試行錯誤しています。でもそれがうまく伝わって理解した走りをして貰えると、僕自身も凄く励みになるんですよ。谷口選手にも、そういった事の積み重ねで僕と一緒なら苦しくても乗り越えられるって思ってくれれば嬉しいですね。そういう意味では、僕はガイドランナーよりもさらに近い存在なんだと思います。

僕自身も、彼と一緒に走るようになっていろんな事に気づかせてもらいました。ひとつはランニングには色んなモチベーションの高め方がある事。彼はどんな土地に行っても、風や匂いなどで町の雰囲気を掴み、それを味わいながら走るんです。それは視覚に頼って走ってきた自分にとっては斬新な感覚でした。僕が教えているようで、実は僕の方が色々教わっているのかもしれないですね。

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